オクラ×kodomo

オクラといえばネバネバですね。

ネバネバの正体、それは食物繊維です。

「食物繊維って糸状の”繊維質”のものなんじゃないの?」

というイメージを持っている方もいらしゃるかもしれません。


実は食物繊維には、大きく分けての2つの種類があります。

一つは水に溶けない食物繊維(皆がイメージするような、食べたときに繊維質を感じる)、

もう一つは水に溶ける食物繊維です。


この水に溶ける食物繊維は、水溶性食物繊維と呼ばれています。

水溶性食物繊維は水に溶けているため、

ヌルヌルしていたり、サラサラしている特徴があります。

これが含まれているため、オクラはネバネバしてたんですね。


この水溶性食物繊維は、体に様々な効果があることが分かっています。

栄養素の消化・吸収を緩やかにすることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、

コレステロールを吸着して、体外に排出することで

血中のコレステロール値を低下させるなど、その働きが注目されています。


このような水溶性食物繊維の興味深い働きの一つに、

腸内の善玉菌のエサとなるというものがあります。

腸内には1000種類以上の善玉菌が棲んでいて、悪玉菌の増殖を抑えています。

善玉菌は糖分をエサにするので、複雑な糖類で成り立つ食物繊維は、

分解されることなく腸へ到達することで、善玉菌のエサになります。

善玉菌の環境を整えることで、私たちの体を守る腸内の免疫細胞が

正常に働く事ができるため、免疫力UPに繋がります。



実は私たちの体には100兆個を超える腸内細菌が存在するといわれています。

これらの細菌は、皮膚や消化管など、体外と通じている器官に存在し、

病原菌の侵入を防いだり、消化を助けるなど人体にとって大事な役割を担っていおり、

人と共生関係にあります。


自然界にも生息している細菌が、私たちの中にも棲んでいて、

生命活動の一部となっていることは、とても不思議ですね。


ネバネバは、えさになる事で、その活動を支えています。


このようなネバネバの働きを見ていると、私たちの体のメカニズムが、

様々な要素の関係性の中で成り立っていることが分かります。


『ロビンソンクルーソー』という映画は、周囲環境との関係性の中で、

生命活動を成り立たせていく人間の姿が描かれています。

主人公は、嵐に見舞われ難破し、漂着した無人島での生活、先住民との出会いなど、

様々な予測不可能なアクシデントに見舞われますが、

その都度状況を受け入れアレンジメントしていくことで、生き延びていきます。


『境界線の現象学』(河野哲也 著)という本のなかで著者は、

私たちの存在というものは、周囲世界との関係性の中で変化していくものだ

という見方を示しています。


その在り方を、ヨットに乗るセイラーに例えています。

セイラーは、大海原で波と風の力に翻弄されながらも、

その力を利用しヨットを進行させます。

ヨットの進行には、波と風というコントロールできない環境の影響が不可欠であり、

セイラーはその偶発的な影響を前提としてセイリングを行います。


『ロビンソンクルーソー』の主人公ほどの分かりやすいアクシデントに

見舞われることは稀だとは思いますが、

私たちの生命活動が、もともと周囲環境との相互作用で成り立っているという見方を、

ネバネバの働きは、与えてくれている気がします。


イニアビファーム

所在地: 安芸高田市向原町

instagram: https://www.instagram.com/iniabi_farm/?hl=ja

blog: https://iniabi.mystrikingly.com/


今回オクラを提供してくださった、

イニアビファームは、

向原町にて自然栽培でお野菜を育てられています。

その土地にあった作物を栽培することを基本に、

土の状態と相談しながら、栽培作物を決めるとのこと。

農薬や肥料を使用せず、

自然の循環によって作られる環境の力を利用して

お野菜を栽培しておられます。

この度提供していただいたオクラは、2種。

Hill country red と Jing Orange。

赤い実が美しい品種で、

歯ごたえとオクラ特有の粘りが、

クセになります。

× kodomo project

「× kodomo (カケルコドモ)プロジェクト」は、 ”つくる場から食べる場へと橋を架ける”、 ”次世代へ橋を架ける”という 2つの”架ける”にスポットを当て、情報発信していきます。 安芸高田市の子供たちをモデルに据え、地元で採れた農産物を食べる姿をドキュメントします。

0コメント

  • 1000 / 1000